モーニングページで脳が整う理由:創造性と自己対話のメカニズム
モーニングページとは?
「モーニングページ」は、アーティストであるジュリア・キャメロンが著書『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』で提唱したメソッドです。方法はシンプル。朝起きてすぐ、ノートに3ページ分、頭に浮かんだことをそのまま書き出すだけ。
誤字も文法も気にせず、ただ思考を「書き散らす」この行為が、なぜ脳を整え、創造性を開花させるのでしょうか?

モーニングページのやり方
- 朝起きてすぐに手書きで書く
- A4のノートに毎日3ページ書く
- 頭に浮かんだことをそのまま書く(何も書くことがないと書いてもいい)
- 誰にも見せない
- 自分も見返さない(少なくとも8週間は)
理由①:脳の“思考のゴミ”を掃き出すデトックス作用
私たちの脳は、目覚めた直後に思考の「ノイズ」を多く抱えています。不安、予定、昨日のモヤモヤ…。これらが頭の中を占拠したままでは、集中や創造的な活動に取り組みにくいのです。
モーニングページは、その“頭の中のゴミ”を外に出す行為。実際、心理学でも「ジャーナリング(書くこと)」は感情の整理やストレス低減に効果があるとされています。思考が外に出ることで、脳内のワーキングメモリが空き、冷静な判断や集中がしやすくなるのです。
理由②:意識下に埋もれていた“本音”と出会える
書いているうちに、「こんなこと思ってたんだ」「あれが気になってたんだ」と、自分の無意識に気づく瞬間があります。これは、書くことによって顕在意識と潜在意識がつながり、自己対話が始まるからです。
モーニングページは、他人に見せない前提で書かれるため、自分でも驚くような“素の思考”が現れます。こうした自己対話は、自分の価値観や本音を可視化し、「どう生きた いか」「本当にやりたいことは何か」を見つける助けになります。
理由③:創造性の“詰まり”を解き放つ
「何かを作ろう」としたとき、アイデアが出ないことはありませんか? その原因の多くは、自己批判や不安といった“内なる編集者”の存在です。
モーニングページのルールは「評価しない」「止めない」「ただ書く」。この行為によって、創造性を妨げていた批判的な思考が脇にどけられ、本来の自由な発想が動き出します。
実際、作家やデザイナー、経営者など、創造的な職業の人たちがモーニングページを取り入れているのは、創造の「詰まり」を解消する力があるからです。
習慣化のポイント
始めるのは簡単ですが、続けるにはコツも必要です。
- ツールにこだわりすぎない:高級ノートでなくても、A4のコピー用紙でもOK
- 書く時間を固定する:朝起きてすぐ、顔を洗うより前に書くのが理想
- 読まない・見せない:他人にも自分にも評価させないことで自由度が保たれます
おわりに:整った脳が、整った人生をつくる
モーニングページは、「書く」という行為を通じて脳と心を整理し、創造性と自己理解を促進するパワフルな習慣です。
もし、朝のモヤモヤに悩まされていたり、何か新しいことを始めたいと思っているなら、まずはペンとノートを手に取ってみてください。あなたの内側にある“本当の声”が、そこから聞こえてくるはずです。